世界的に半導体設計分野の人材が不足している中で、教える側の人材不足と数百万ドル以上の価値がある高価なソフトウェアをそろえる必要があることから、大学が半導体設計分野の教育プログラムの規模を迅速に拡大することは難しいのが現状だ。
その要因を少し詳しく述べると
教育資源の不足:
VLSI分野は高度な技術と専門知識を必要とし、教える側には経験豊富な専門家が必要であるが、ベトナムにはこの分野の教育専門家が不足している。
高価なソフトウェアとツール:
VLSI設計には高度なコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアやツールが必要であり、これらのソフトウェアは非常に高価だ。大学がこれらのツールを整備するには多額の資金が必要であり、その資金を研究室の研究費等で賄うのは困難だ。
技術的な複雑さ:
VLSI分野は急速に進化しており、最新の技術やトレンドに追いつくためには最新の情報とリソースが必要。この分野では産業界との連携も重要であり、大学と企業との協力が必要となってくる。
学習コースの設計:
VLSI設計プログラムは、学生に高度な技術を伝えるために専門的で効果的なカリキュラムが必要。このカリキュラムを開発するには時間とリソースがかかる。
9月上旬に、FPT大学とFPT半導体会社は、半導体設計学科を創設し来年から学生を受け入れる旨発表した。また、ハノイ工科大学は、電子通信技術学科の中で半導体設計コースを設けた。4年生でこの専攻を選択でき、組込システムと組込通信設計、電子デバイス設計、大規模VLSI設計、アナログICデザイン、半導体デバイス検証とテストなどの科目を学ぶという。ホーチミン市工科大学は電子通信技術学科内で、半導体設計専攻に加えて、2021年から英語で教授する半導体回路とハードウェアデザイン専攻も開始している。
教育機関は、市場の労働力ニーズに追いつくために半導体設計分野での人材教育を促進したいと考えている一方、情報通信省によると、ベトナムの半導体産業は年に10,000人の半導体エンジニアを必要としており、現在の労働力はその20%未満しか賄えていないという。
半導体チップを製造するには、設計、製造、パッケージングの3つの基本プロセスがあるが、ベトナムの教育機関は設計とパッケージングを分野として注目しておりそのプロセスのエンジニア需要が非常に高いと述べている。
ハノイ工科大学のNguyễn Đức Minh学科長は、Infineon、Renesas、Marvell、Samsungなど多くの大手企業が北部で新しい事務所や工場を開設すると予測し、今後、半導体設計エンジニアを年間約250〜300人採用する必要があると述べている。調査によると、半導体設計専攻を卒業した新卒生の初任給は15〜20百万ドンであるが。5〜10年後には3倍程度に増えるといわれている。多くの企業は、2年生や3年生からそのような専攻をしている学生を採用しに来ることさえあるという。
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